◆ヒキガエル、婚活中!
2月の終わり、夜道で道端にたたずむヒキガエルに出会うことがあります。「アズマヒキガエル」という名のこのカエル、ふだんは陸地に棲み、冬の間は落ち葉の下など暖かい場所で過ごしますが、繁殖期になると出会いを求めて水辺に一斉に集まります。
水辺に到着すると、オスはメスに抱きつき交接(交尾)をします。水中で他のオスを蹴り飛ばし、押し合いへし合いする様子は「蛙合戦」とも呼ばれます。ときに1匹のメスを数匹のオスが取りあい、メスは抱きついたオスに絞め殺されることもある、まさに命がけの戦いです。またオスは動くものをメスと思い反応するため、間違えてオスに抱きつくこともあります。そんな時、抱きつかれたオスは「クックッ」と小さな声で鳴き、自分がオスであることを知らせ離してもらいます。カエルたちにとっては必死の戦いですが、人間から見るとクスッと笑ってしまう光景です。
この“蛙合戦”は地域にもよりますが、2月下旬から3月上旬の約2週間のあいだ見られます。自然ふれあい情報館の池では、昨年3月2日のピーク時は81匹が観察されました。
ヒキガエルは“かえる”の名のとおり、生まれた池に帰って繁殖します。蛙合戦が見られるということは、カエルたちの故郷である環境が残されている証でもあるのです。
自然ふれあい情報館
<この記事についてアンケートにご協力ください。>