区は、福祉や教育、まちづくりなど区民の皆さんの日常生活に密着したさまざまな仕事をしています。その費用は、区民の皆さんに納めていただいた特別区民税や国・都支出金、特別区交付金、特別区債などでまかなわれています。
これらの収入がどのくらいで、どのような仕事に使われたか、また区の財産、特別区債の状況がどのようになっているかを知っていただくため、毎年2回、財政状況の公表を行っています。
今回は、平成30年度上半期(4月~9月)の財政状況についてお知らせします。
【平成30年度予算の編成方針】
日本経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されています。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとされ、また、相次いでいる自然災害の経済に与える影響に十分留意する必要があるとされています。
区の財政状況については、防災・減災対策、学校改築や施設一体型小中一貫校の建設、新庁舎建設や本格的なまちづくりの取組みなど、計画事業の着実な推進により、歳出規模並びに一般財源総額は拡大傾向にあります。また、少子高齢化の進展による社会保障費の増加等により、経常収支比率は二年連続で悪化して85.2%となり、財政の硬直化により柔軟な財政運営が困難になることが懸念されています。
このような状況においても、一層の持続可能な行財政システムの確立に向けて、着実に取り組みつつ、区が直面する諸課題に積極果敢に対応し、膨大な行政需要に立ち向かっていかなければなりません。
平成30年度予算編成にあたっては、「北区経営改革プラン2015」に基づく歳入確保と歳出抑制、基金と起債の効果的な活用などにより、必要な財源を確保し、「北区中期計画(平成29年度~31年度)」や各種計画に基づく事業の構築やレベルアップを図り、「北区版総合戦略」に掲げる北区の個性や魅力発信の施策充実にも取り組みました。
その結果、平成30年度一般会計当初予算は、1,556億9,800万円でスタートしましたが、上半期における新たな行政需要に対応するため、6月と9月に補正を行い、総額1,574億3,465万7千円となりました。
【補正予算の概要】
6月と9月の区議会で可決された補正予算の主な内容をお知らせします。なお、平成30年度当初予算の内容は、北区ニュース4月20日号をご覧ください。
◆一般会計
[6月補正]
○仮称芥川龍之介記念館整備費 2億2,331万7千円
芥川龍之介旧居跡の土地の一部を購入し、「(仮称)芥川龍之介記念館」を当該土地に整備するための検討に着手
○老人保健施設等整備準備費 1億1,995万5千円
「学校施設跡地利活用計画」に基づき、介護老人保健施設等の複合施設を整備する事業者への土地貸付けを行うため、既存施設を解体等するための経費
○防災街区整備事業費 2,894万円
借地上に木造住宅が軒を連ね、未接道により再建築できない建物が老朽化したまま密集している志茂地区において、速やかに建築物を除去し、防災機能を備えた建築物を共同建替え事業により整備するための経費
○橋梁架替整備事業費増額 607万2千円
新柳橋について、東京都が施工する石神井川の護岸工事により、護岸の高さが上がることや既設の新柳橋自体の健全性が低いことから、架替えに向けた設計費を計上
[9月補正]
○東京オリンピック・パラリンピック推進事業費増額 1,060万2千円
ROUTE2020トレセン通りの一部区間である姥ケ橋交差点から赤羽商業高校前の交差点まで、街路灯に東京2020大会エンブレムのフラッグを設置するとともに、地域情報アプリを開発し、トレセン通りを中心とした地域資源の魅力や東京2020大会に関する情報を発信するための経費
○区民健康づくり大作戦経費増額 725万円
「桜ウォーク2019」と「東京2020大会500日前イベント」を一体化したウォーキングスポーツイベントを平成31年3月31日(日)に開催するための経費
○「北区ミステリー文学賞」表彰費増額 140万円
北区アンバサダー(大使)として活動した作家・故内田康夫氏の一周忌にあわせ、「北区内田康夫ミステリー文学賞」授賞式、記念イベントの特別企画として、内田氏ゆかりの品を展示し、追悼展を開催するための経費
○保育所改修費増額 1億4,050万円
旧志茂東ふれあい館を改修して、定員拡大(90人⇒95人)を図り、指定管理園として再整備するための工事費や、滝野川北保育園について滝野川北児童館部分と旧母子寮部分を改修し、分園と統合して定員拡大(135人⇒165人)を図り、指定管理園として再整備するための設計費
○ブロック塀等の安全対策 1億758万2千円
大阪府北部地震におけるブロック塀等の倒壊被害を踏まえ、法令等に適合しない区有施設のブロック塀等の撤去等を行うとともに、民間所有地のブロック塀等について、専門業者による通学路の点検調査や撤去工事費用の一部助成など、安全対策を講じるための経費(予備費充用分を含む)
○留守家庭児童対策費増額 5,490万円
平成30年4月期に多数の待機児童が発生した小学校4校(滝野川第四、滝野川第五、西浮間、赤羽台西)について、平成31年4月に向けた緊急対策として、学童クラブを増設するための経費
◆特別会計
[9月補正]
◎国民健康保険事業会計
○退職被保険者等医療給付費増額 460万8千円
東京都へ納める事業費納付金
◎介護保険会計
○介護給付費準備基金積立金増額 7億3,170万9千円
平成29年度からの繰越金などの積立
○介護予防訪問型サービス費、介護予防通所型サービス費増額 1,302万8千円
北区独自型サービスを普及促進するため、事業者に対する補助単価の改定や加算の新設等を実施
◎後期高齢者医療会計
○一般会計繰出金増額 2億1,579万7千円
平成29年度からの繰越金などを一般会計へ繰戻し
【平成29年度 決算】
平成29年度一般会計の歳入歳出決算額は、歳入1,436億7,667万円6千円、歳出1,390億1,428万6千円となりました。詳しくは北区ニュース10月20日号の決算特集記事をご覧ください。
問合せ:財政課
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