◆ジョウビタキ

秋ときいて何を思い浮かべますか。私が真っ先に思い浮かべるのは、ある鳥の姿です。美しいオレンジ色の羽、くりっとした瞳のその鳥“ジョウビタキ”は11月頃になると冬を越すため、主に大陸から日本に渡ってきます。あまり気づかれていないのですが、実は住宅街や街中の公園などでくらしている身近な鳥です。
そのかわいらしい姿を見るなら、ちょうど今の季節がチャンス。渡ってきた直後には、屋根にあるアンテナの上や公園の木のてっぺんなどの目立つ場所で、「ヒッヒッヒッ…」と元気よく鳴きます。そのため、とても見つけやすいのです。
しかし、当のジョウビタキたちは決して私たち人間に見つけてほしくて鳴いているわけではありません。これは、自分のなわばりを主張する行動です。ジョウビタキの主な食べものは木の実や昆虫ですが、寒くなればなるほどそういった食べものは少なくなってしまいます。そのため、早いうちに冬を越せるだけの食べものが採れるなわばりを確保しておく必要があるのです。
これから外に出た時には、少し耳をすましてみてください。もしかすると、お家の庭や近くの公園で、ジョウビタキに出会えるかもしれませんよ。

自然ふれあい情報館