区は、福祉や教育、まちづくりなど区民の皆さんの日常生活に密着したさまざまな仕事をしています。その費用は、区民の皆さんに納めていただいた特別区民税や国・都支出金、特別区交付金、特別区債などでまかなわれています。
これらの収入がどのくらいで、どのような仕事に使われたか、また区の財産、特別区債の状況がどのようになっているかを知っていただくため、毎年2回、財政状況の公表を行っています。
今回は、平成29年度上半期(4月～9月)の財政状況についてお知らせします。

◆平成29年度予算の編成方針
日本経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されています。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとされています。
区の財政状況については、扶助費の大幅な増加や施設の更新需要への対応などもあり、平成28年度一般会計決算額は、初めて1,400億円台となり、特別区民税は5年連続で増収となったものの、地方消費税交付金等の各種交付金の減少と、扶助費等の社会保障関係経費の増加などにより、経常収支比率は前年度より1.5ポイント悪化し、84.9%となり、財政の硬直化により柔軟な財政運営が困難になることが懸念されています。
このような状況においても、区最大の課題である少子高齢化や今後の人口減少への対応をはじめ、首都直下地震等に備えた防災・減災対策、新庁舎建設、十条・王子駅周辺の本格的なまちづくりや学校改築など、これらの施策に積極的に取り組み、膨大な行政需要に立ち向かっていかなければなりません。
これらの課題を着実に解決していくためには、今後も、これまで以上に内部努力の徹底と、外部化を基軸とした事務事業の見直しなど、さらなる経営改革を進めるとともに、基金と特別区債を計画的に活用しつつ、中長期的な財政運営にも留意した、持続可能な行財政システムの構築に取り組んでいく必要があります。
平成29年度予算編成にあたっては、区政が直面している多くの重要課題に対して、積極的な取組みを進めるため、「北区基本計画2015」に基づく2つの最重要課題と3つの優先課題を中心に、「北区中期計画(平成29年度～31年度)」を踏まえた、新たな事業の構築やレベルアップを図りました。
その結果、平成29年度一般会計当初予算は、1,468億2,000万円でスタートしましたが、上半期における新たな行政需要に対応するため、6月と9月に補正を行い、総額1,487億3,843万1千円となりました。

◆補正予算の概要
6月と9月の区議会で可決された補正予算の主な内容をお知らせします。なお、平成29年度当初予算の内容は、北区ニュース4月20日号をご覧ください。

◆一般会計
[6月補正]
〇子どもの未来応援対策 3,707万1千円
ひとり親家庭等の生活困窮世帯を支援するために、ひとり親家庭等の子どもの学習支援や、準要保護世帯に対する就学援助費(新入学学用品費等)の前倒し支給等の子どもの貧困対策を実施

〇認証保育所等保育料補助費増額 3,474万円
認証保育所等の保育料補助について、都の補助制度新設に伴い、区の補助の仕組みを変更し、補助額を拡充

〇小中一貫校設置検討費増額 540万円
神谷中学校サブファミリー施設一体型小中一貫校の新築工事にあたり、周辺環境への影響等の調査検討を実施

〇地域振興事務費増額 570万円
一般財団法人自治総合センターのコミュニティ助成事業に採択された町会・自治会に、区を経由して助成金を交付

〇障害者就労支援事業費増額 476万8千円
障害者就労支援センター北の支援にあたる職員体制を強化するための経費

[9月補正]
〇企画調整事務費増額 622万6千円
旧赤羽中学校及び旧清至中学校の「学校施設跡地利活用計画」に基づく事業内容と事業者決定のための審査委員会等を実施

〇基幹系システム番号制度改修費増額 2,754万7千円
マイナンバー制度の情報連携に係る特定個人情報データ標準レイアウト変更や、マイナンバーカード等への旧姓併記等に対応するためのシステム改修経費

〇私立保育所整備費助成費増額・小規模保育所等開設準備費増額 3億5,335万7千円
保育需要のさらなる増加に対応するため、私立保育所や小規模保育事業所整備を行う事業者に対する補助を追加で実施

〇保育所改修費増額 369万2千円
平成29年度末閉館予定の志茂東ふれあい館を志茂保育園の移転先として改修するための設計業務を委託する経費

〇学校施設整備費(小学校)増額 907万2千円
学校トイレの洋式化率を高めるための取組みとして、としま若葉小学校内の14か所のトイレを新たに洋式化する経費

〇自転車駐車場整備費増額 3,467万4千円
東京都が実施する音無橋改修工事に伴う音無親水公園自転車駐車場の再設置工事や北赤羽駅赤羽口自転車駐車場の精算機及びラックの更新を実施

〇公園等維持管理費増額 151万2千円
飛鳥山公園内に防犯カメラ2台を設置するための経費

〇地域美化推進事業費増額 162万円
指定喫煙場所等の分煙対策のため、パーテーション設置等を検討するための調査を実施

〇特別区全国連携プロジェクト関連事業費 100万円
特別区長会が交付する特別区全国連携プロジェクト関連事業助成金を活用し、岩手県との連携事業を実施

◆特別会計
[9月補正]

〇職員給与費減額 △5,200万円

〇介護給付費準備基金積立金増額・平成28年度からの繰越金などの積立 8億8,626万6千円

〇一般会計繰出金増額・平成28年度からの繰越金などを一般会計へ繰戻し 1億9,812万8千円

◆平成28年度 決算
平成28年度一般会計の歳入歳出決算額は、歳入1,474億9,703万8千円、歳出1,436億548万5千円となりました。
詳しくは、北区ニュース10月20日号の決算特集記事をご覧ください。