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国立印刷局には、高度な技術と芸術的センスを持った工芸官という、デザインや彫刻の専門職員がいます。
新しいお札づくりはまず、お札のもとになる絵(原図)を、筆や色鉛筆を使って精密に描きます。そしてその原図をもとに、ビュランという特殊な彫刻刀を使って、金属板に点や線を一本一本刻み込み、原版を作製します。彫刻の画線は、1ミリの幅に10本以上の線を彫ることができるほどの緻密(ちみつ)さです。彫刻技術は、明治期に外国人技術者によって伝えられ、現在も独自に進化しています。彫刻した線の深さや幅、向きにより立体的に表現しているのです。陰影や質感をいかに表現するかが工芸官の腕の見せ所です。
さらに、デジタル技術も使用されています。お札の背景の細かい模様や、彩紋(さいもん)と呼ばれる幾何学模様は、最新のコンピュータシステムでデザインします。コンピュータでいくつものデータを組み合わせて作成された彩紋が、最終的に伝統的な彫刻画線と融合することで、お札のデザインが完成します。
超絶技巧とテクノロジー、芸術と技術の融合により、お札はデザインされています。
問い合わせ:しごと連携担当課
【電話】3908-1226
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