区では、北区医師会をはじめとする地域医療の協力のもと、オミクロン株対応型ワクチンの接種を進めています。
今回は、北区の新型コロナウイルスワクチン接種事業に全面的にご協力いただき、ご自身も開業医として地域医療の最前線で奮闘している北区医師会の増田会長に、区若手職員のオミクロン株対応型ワクチン接種に関する疑問にお答えいただきました。
■「重症化しない イコール 症状が軽い」は大きな勘違い
Q:最近は新型コロナウイルスに感染するとどんな症状・特徴があるのでしょうか。
A:発熱、倦怠感、強い喉の痛みといった風邪に近い症状で受診される方が多いです。また、4回目・5回目のワクチン接種をしている方は、比較的症状が軽い方が多いです。
Q:なぜオミクロン株対応型ワクチン接種は必要なのでしょうか。
A:若い人はワクチン未接種の方や、2回目・3回目まで接種しているからもう十分だろうと、追加接種をしない方が多いですが、最終接種から半年以上期間が空いてしまうと、血液中の抗体量が減りワクチンの効果が弱まるため、感染リスクも重症化リスクも高くなります。
また、若い人が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しないと言われていますが、「重症化しない」とは「死に至るような重症化はしない」という意味で、症状が軽いという意味ではまったくありません。実際に感染して「こんなにつらいと思わなかった。これで本当に軽症なのか。」という声をよく聞きますが、分類としては軽症です。「重症化しない イコール 症状が軽い」という認識で、追加接種をしないというのは大きな勘違いです。オミクロン株対応型ワクチンは、従来型ワクチンを上回る重症化予防効果とともに、感染予防効果や発症予防効果も期待できます。できるだけ多くの方にワクチンを接種していただくことが、感染拡大の抑制につながると思います。
■接種をした人、接種していない人、それぞれの意見を聞きました
◇接種した人
◇接種していない人
Q:上記のように、ワクチン接種に消極的な方もいます。それぞれの意見をご覧になって先生はどのように思いますか。
A:確かに、接種後の副反応が強く出ると、そんなつらい思いをしてまで、また接種をしたくないという方も多いのかもしれません。しかし、実際に新型コロナウイルスに感染するともっとつらいんですよね。仕事に行けない、子どもや高齢の両親にうつしてしまうなど、感染すると自分だけの問題ではなくなってしまいます。また、すでに感染した方も、ワクチンを接種することで免疫を強化することができます。もちろん、ワクチン接種は任意であり、体質的な問題でワクチンを接種できない方もいらっしゃいますから、差別はあってはなりません。
Q:インフルエンザとの同時流行が懸念されていますが、現状を教えてください。
A:インフルエンザの感染者も増えています。新型コロナウイルスと発熱等の症状が似ているため、検査をして判別する必要があります。発熱者が増えれば、発熱外来が逼迫し、医療機関を受診しづらくなってしまいます。いずれもワクチンを接種することで重症化や発症を防ぐことができます。希望される方は早めの接種をお願いします。
■インタビューを終えて
今回の取材で、新型コロナウイルスについて医療現場最前線の見解を聞くことができました。オミクロン株に感染しても比較的重症化率は低いものの、症状そのものが軽いわけでなく、『「重症化しない イコール 症状が軽い」という認識で、追加接種をしないのは大きな勘違い』という言葉が印象に残りました。新型コロナウイルスワクチンの1月の予約はまだ余裕があるため、接種を希望される方は早めの接種をおすすめしています。
区では、接種を迷っている方が、副反応のリスクと接種のメリットについて正しい知識を持ち、納得して接種を判断していただけるよう、引き続き情報提供に努めていきます。
■北区のワクチン接種に関して
◇北区新型コロナウイルスワクチン接種のホームページ
【HP】https://www.city.kita.tokyo.jp/wakuchin.html
◇北区のワクチン接種の予約や接種に関するお問い合わせ
北区新型コロナウイルスワクチン接種コールセンター フリーダイヤル【電話】0120-801-222
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