記事を読み上げる
■干し柿はなぜ甘い?
秋の味覚のひとつである柿は、栄養が豊富で「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほどです。晩秋から冬にかけては干し柿も出回ります。甘い甘い干し柿は、渋柿から渋みを抜くことによって作られます。渋みが抜けるといいますが、実際には渋みのもとが柿から出ていくわけではありません。柿の渋みの原因は、水溶性のタンニンという成分です。水溶性なので、口に入れると唾液に溶けて渋みを感じます。柿の皮をむいて干すことにより、柿の中でアセトアルデヒドという物質が作られます。このアセトアルデヒドとタンニンがくっつくと水に溶けにくくなるため、人の舌では渋みを感じなくなるのです。渋抜きの前後で甘みは変わっていませんが、渋みを感じなくなったため甘く感じるようになるなんて、人の味覚は面白いですね。
北区環境大学(東京家政大学)
<この記事についてアンケートにご協力ください。>