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◆生きものたちの夏
暑い夏、近年では35℃を超える日も少なくありません。わたしたち人間はさまざまな対策をして猛烈な暑さや強い紫外線から身を守りますが、野外で暮らす生きものたちはどうしているのでしょうか。
例えばトンボは、夏の暑い日に尾を上にあげて止まっていることがあります。体全体に日光が当たる面積を少なくすることで、暑さから逃れているのです。私たちは帽子や日傘を使って、日光が当たるのを防いでいますね。
池や川沿いを飛んでいるシオカラトンボのオスは、青みのある体にまるで白い粉をふりかけたような姿が印象的です。あの白粉(ワックスとも言われています)は、彼らの縄張りである日差しの強い水辺で大活躍をしています。実は、水を弾く力や紫外線を反射する力があるのです。これは、海辺に日焼け止めを塗って出掛けることに似ています。
また、鳥の場合は、口を開けたまま動かないことがあります。わたしたちは汗をかいて、その水分が蒸発することによって体温を下げていますが、汗をかかない鳥たちは、口を開けて暑さをしのいでいるのです。
野外の生きものたちを観察すると、さまざまな方法で夏を乗り切っていることがわかります。彼らを観察することで、暑い夏を乗り切る意外なヒントを見つけられるかもしれません。
自然ふれあい情報館
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