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◆早春の花コブシ
寒さが和らぎ、散歩する歩みも軽やかになるころ、桜の蕾が膨らむよりひと足早くコブシの花が咲きだします。
花の時期は一週間ほどとやや短いのですが、新緑前の木々をにぎわせて、いかにも早春を感じさせてくれます。
花は直径6cmほどで、花びらは6枚。そっと近づいてみると、ほのかに良い香りがします。日本の里山に自生する植物で、幹立ちの姿が好まれ庭木としても利用されます。
コブシとよく似ている、中国原産のモクレンや、ハクモクレンといった木も、庭に植えられていることがあります。モクレンなどの花びらは9枚で、より肉厚、花は上へ向かって並んで咲きます。それに対して、コブシは元気よくあちこちに向いて咲いています。
コブシやモクレンなどは、「辛夷(シンイ)」と呼ばれ、花がほころぶ前の蕾が鼻づまりなどの漢方薬のもととして利用されます。そして秋に実る果実が、ごつごつして「小さな子の握りこぶしに似ている」ところから、コブシと呼ばれるようになったとか。
街路樹の一部として植えられていることもあるので、近所でぜひ探してみてください。
みどりと環境の情報館(エコベルデ)
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