◆冬の植物と野鳥たち
ツバキやサザンカは寒い冬にも彩りを添えてくれる植物です。1月ごろから花が咲き始め、初春頃まで私たちを楽しませてくれます。そして、その開花を待ちわびているのは、私たち人間だけではありません。ツバキやサザンカの花びらをよく見てみると、ひっかいたような小さな跡がついていることがあります。これは、メジロという野鳥が花の蜜を吸いに来たときにできたものです。
メジロは主に花の蜜や果実を食べています。ツバキやサザンカの花の中にある甘い蜜は、寒い冬の貴重な食糧となります。花の奥にある蜜を求めて、顔中を黄色い花粉だらけにしたメジロを見かけることもあります。ハチなどの昆虫がいない冬、メジロによって、ツバキやサザンカは受粉を行っているのです。
ほかにも、今の季節にはピラカンサやマンリョウといった赤い実が目立ちます。これらも野鳥たちには貴重な食糧であり、植物たちは野鳥たちに種を運んでもらっています。
植物の彩りを楽しみながら、野鳥たちとの関係に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
みどりと環境の情報館(エコベルデ)
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