◆明けましておめでとうございます
健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。今年はいよいよ東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、東京そして日本中が期待と夢に胸を膨らませ、大きく躍動する年となります。北区においても、令和の新時代への対応とともに将来を見据えた基本計画や都市計画マスタープラン、教育ビジョンなど区の主要計画が新たにスタートする飛躍の年でもあります。
令和初の新春企画は、豊かな文才を発揮し、夢に向かって大きく羽ばたく北区在住の高校生作家のお二人をお招きして、執筆活動や学業、ふるさと北区について伺いました。本年も皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。
令和2年元日 北区長 花川與惣太
・横山黎 Yokoyama Rei
(よこやまれい)2001年6月30日生まれ。北区在住の高校3年生。全国高等学校ビブリオバトル2018決勝大会に東京都代表として出場、2019年には応募作『秘密を夜に閉じこめて』が第17回「北区内田康夫ミステリー文学賞」奨励賞を受賞。今後の活動に期待がかかる注目の若手作家。
・鈴木るりか Suzuki Rurika
(すずきるりか)2003年10月17日生まれ。北区在住の高校1年生。小学4年生、5年生、6年生の時に小学館主催「12歳の文学賞」大賞を三年連続で受賞。これまでに、デビュー作『さよなら、田中さん』のほかに『14歳、明日の時間割』、『太陽はひとりぼっち』の3冊を出版している。期待の作家として活躍中。
・花川與惣太 Hanakawa Yosouta
区長:新年あけましておめでとうございます。
鈴木・横山:おめでとうございます。
区長:文学を志し、新しい時代に向けて、大きく羽ばたこうとしているお二人とお話しする機会ができ、とても嬉しく思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。
鈴木・横山:よろしくお願いします。
●小説を書き始めたきっかけ
区長:鈴木さんは小学生の時に、小学館主催の「12歳の文学賞」で三年連続大賞を受賞され、横山さんは、昨年度の「北区内田康夫ミステリー文学賞」で、奨励賞を受賞されましたね。お二人は、いつ頃から小説を書き始めたのですか。
鈴木:小学4年生のときに「12歳の文学賞」の募集をみて、その景品が図書カード10万円分とパソコンだったので、図書カード10万円分もあれば少女漫画雑誌が一生分買えるんじゃないかと思って、それがきっかけで書き始めました(笑)。
横山:私も小学5年生6年生くらいからミステリー小説を読み始めて、自分でも書いてみたいなと思ったのが始まりです。
区長:小説で伝えたいことを筋立てて書きあげるのは、文章力だけでなく、相当な想像力などを働かせなければできないことかと思いますが、ストーリーは、いつ、どのような時に思い浮かぶのですか。
鈴木:日常で生活している中から見たり聞いたりしたものが、ある日突然カチッとかみ合って、そこからストーリーが思い浮かびます。
横山:書きたいことって自分の伝えたいことや言いたいことだと思うので、ニュースや学校生活において、なんか違うんじゃないかなとか理不尽に思うことを言葉にして小説に託していますね。
区長:日常生活の出来事が小説の材料になっているのですね。小説のアイデアや書きたいことをメモしているのですか。
横山:本当にいつか書きたいことは頭の中にずっと残っているものだと思うので、メモはしません。でも、メモをとることが楽しいので、メモすることもあります。
鈴木:私もメモをすることはあまりないですね。
区長:文章を書く上で、普段から心がけていることや、工夫していることはありますか。
鈴木:井上ひさしさんの言葉で「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく(書く)」というのがあって、文章を書く上での理想として、そのことは常に頭の中にあります。それを核にして、そこからブレないように心がけて、言葉を綴っています。
横山:小説を書くというのも自分の一つの個性やアイデンティティだと思っています。一つの文章にしても、ほかの人には思いつかないような、自分だから書けるオリジナリティ溢れる文章を書きたいと常に心がけています。
区長:お二人とも自身の軸がしっかりとありますね。高校生ですから、学業との両立は大変ではないですか。横山さんは大学受験に向けて、今が一番大変な時期だと思いますが、いかがですか。
横山:そうですね。今が追い込み時期で勉強も詰めてやっています。勉強している間でも発見することがあって、例えば歴史を学んでいると、これをベースにこういう話を書いてみたいなと思うこともあります。勉強は絶対無駄にはならないので、いつか小説のネタにつながるのではないかと思って取り組んでいます。
鈴木:私は、実をいうと両立というほどあまり勉強していないです。でも、やはり中学の時よりも授業が難しくなってきたり部活も中心的な存在として活動したりすることが多くなったので、平日に書くのは難しくて、休日にまとめて書いていることが多いです。
区長:得意な科目はありますか。
横山:高校2年生までは数学好きで、数学ができる文系という優越感があったのですが、受験生になってからなぜか突然数学ができなくなってしまって、悩んでいる時期です。国語も好きで、ある程度得意です。
区長:ミステリー小説を書く横山さんがロジックな数学が得意なのもわかりますね。鈴木さんはいかがですか。
鈴木:やはり国語が得意科目で、数学や物理などの理系科目は苦手です。
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