平成20年に本制度が始まりましたが、過度な返礼品が問題とされるなど、本来の趣旨とは異なる運用が指摘されたため、令和元年6月から改正されました。
●ふるさと納税制度の趣旨
ふるさとやお世話になった地方団体に感謝し、もしくは応援する気持ちを伝える、税の使い道を自らの意志で決めることを可能とすることを趣旨として創設されました。
ふるさと納税はあくまで自治体への「寄附」で、寄附をしやすくするために、寄附額に応じて住んでいる自治体に納める住民税などが軽減される優遇措置が設けられています。また、各自治体が創意工夫をして多くの方から賛同を得る取り組みを創出することにより、全国のさまざまな地域を活性化させることも期待されています。
●ふるさと納税の問題点
返礼品を強調した宣伝により、寄附者の適切な選択が阻害されることです。高額な返礼品やお得感を強調した募集方法をとる自治体に多額の寄附が集まり、返礼品による寄附の獲得競争になっているという指摘もされています。
●ふるさと納税の北区への影響
寄附を受けた自治体は増収となる一方、寄附者が居住する自治体の住民税は減収となります。北区の特別区民税はふるさと納税の影響で、平成30年度は約7億円の減収となりました。令和元年度の減収は約9億円にもなります。
ふるさと納税による減収は、東京23区など都市部の自治体で起こっています。令和元年度における区民税の減収額は23区全体で約391億円にのぼります。23区には減収分に対する国からの補填はなく、多額の減収が行政サービスの低下や将来世代への負担になることも懸念されています。
●ふるさと納税制度の主な変更点
・返礼品を強調した宣伝広告を行わない
・自団体住民に返礼品等を提供しない
・返礼品は寄付額の3割以下かつ地場産品とする
また、ふるさと納税の対象自治体は総務大臣が指定する制度となり、指定されていない団体への寄附は、ふるさと納税制度による優遇措置が受けられなくなりました。
●北区版ふるさと納税制度「北区応援サポーター寄附制度」も変更になりました
北区はふるさと納税対象自治体として、総務大臣の指定を受けました(指定期間:令和元年6月1日~令和2年9月30日)。
変更点は返礼品の見直しと、返礼品の贈呈を区外に居住する方に限定したことです。寄附の使い道を8つのメニューからお選びいただくことは今までどおりです。詳しくは北区ホームページをご覧いただくかお問い合わせください。
問合せ:
・北区応援サポーター寄附制度について 税務課税務係【電話】3908-1114
・寄附金税額控除について 税務課課税第1~4係【電話】3908-1113
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